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2005年08月19日

都市交通のこと 1

つくば駅構内のam/pm

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関鉄メガライナーの2台並び。高速つくば号は24日から停留所増設のため並木中/桜南小の前を経由するルートに変更されることになり、メガは撤退かと思われましたが、メガのみ既存の大角豆交差点を経由するルートで存続することになりました。ただ、もうこのような2台並びのシーンはお目にかかれないでしょう。

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先日、土浦駅東口から[18]つくばテクノパーク大穂行に乗る機会がありました。平日は一日4本、休日は一日1本のみの運行、その他はつくばセンター発着の[C8]で、8月24日改正以降[18]は一日1本のみとなり、その他は全て[C8]になる予定です。
ところでこの[18]、土浦駅東口発着という点からも分かるとおり高架道経由で、しかも土浦学園線内は各停とはいえ花室トンネル経由なので、土浦駅からつくばセンターまで19分と急行[10B]と比べても遜色ない所要時間で走ってくれます。さらに自分は教員研修センター入口まで利用したので、つくばセンターと乗り継ぐ場合と比べて運賃も安く済みます。また休日唯一運行される土浦駅東口12:10の便は常磐線下り特快と接続。なかなか良い感じです。
しかしながら乗客は、土浦駅→つくばセンター間で2人、その先も5人が最多でした。[C8]/[18]つくばテクノパーク大穂線は通勤時間帯こそかなり乗っていますが、昼間はそれでも多い方ではないでしょうか。

つくばエクスプレス開業の8月24日、つくば・守谷両市の公共交通機関は非常に対照的な展開を見せることになります。
守谷市では、武蔵野市のムーバスから始まったコミュニティバスの流れを汲む、ラッシュ時15分間隔/昼間20分間隔、運賃160円~200円のバスが、既存の福祉バス「やまゆり号」と共に常総ニュータウンの住宅地を中心に市内全域をカバーするようになり、茨城の新しい玄関口にふさわしい充実した公共交通機関網が誕生します。守谷市が強力なイニシアティブを取り、単なる交通弱者のための「福祉バス」ではなく、自家用車の代替選択肢となりうる「高頻度運行」と「低廉な運賃」を兼ね備えた「コミュニティバス」を、ここ交通超後進県茨城の地に実現させたのです。

対して、つくば市はどうでしょうか。
これまでJRバス関東のテリトリー等の理由で実現できなかったらしい関鉄バスのテクノパーク桜乗り入れが実現し、つくばセンター発着テクノパーク桜循環線が一日24往復新設されるなど評価できる点もありますが、他の路線再編にはほとんど見るべきものはありません。研究学園駅への新設路線などは、電車との接続が悪すぎて、やる気がないなら路線新設なんてしなければいいのにと思うほどです。都心部コミュニティバスのつくつくバスも運行間隔が40分に延び、運賃も160円に値上げされます。福祉バスののりのりバスも、一部路線の駅前乗り入れが行われるのみで再編は見送られています。

県の方針通りのやる気のなさが滲み出ていますね。
交通サービスは完全自家生産で済ませられるのが利用者側から見ればベストなのだから、完全自家生産できる/していい環境ならば人々がそれを選択するのは当たり前なわけです(自家生産とは徒歩、自転車、自家用車等公共交通機関以外を指す)。しかし、特に都市においては道路をいくら増設しても半永久的に混雑はなくならないことが分かっていますし、つくば駅周辺を見れば分かるとおり駐車場だっていくらあっても足りません。もちろん化石燃料の消費も半端ではないし、交通事故もなかなか減りません。

そこで1995年に武蔵野市が始めたのが、ムーバスであり、交通不便地域をカバーすると共に自家用車からの移行のためのインセンティブとして「高頻度運行(15~20分間隔)」と「低廉な運賃(100円均一)」等、それまでのバスにはなかったきめ細やかなサービスを実現し、この成功は現在の全国に広がるコミュニティバスの原型となりました。高頻度運行と低運賃によって発生するバス事業者の損失は武蔵野市が補填することになっていましたが、2000年以降黒字となっています。

このコミュニティバスが、10年遅れてようやく茨城にやってきました。守谷の都市規模では黒字にするのは難しいでしょうが、コミュニティバスの大きな目的は公共交通機関を選択肢に入れてもらうことであり、そのための支出と考えれば安いものです。それに対して茨城県とつくば市は、首都圏新都市鉄道の資本金1,850億1,630万円のうちそれぞれ18.0%、6.7%を出資しており、その上巨額の無利子貸付もしているにもかかわらず、TX駅から先のフィーダー輸送にはほとんど金を出していません。茨城県に至ってはほとんど関心がないようです。
ただ、茨城県にはもちろん何も期待できませんが、つくば市にはまだ可能性があります。遠からず予定されているのりのりバス有料化・コミュニティバスへの転換の際に、何らかの方向性が示されることを期待しています。

後日に続きます(予定)。
個人的には、コミュニティバスを更に発展させ、拠点間が適度に離れ主要大通りに交通が集中するつくば市の特性を生かし、TXとの直通も考慮したLRT「つくば環状線」を構想中。

P.S.
TXの500円一日乗車券、早速購入しました。
6月の一般公開の際にはなかったam/pmが完成していました。
情報端末は…早くもエラー画面が出ていました。

投稿者 puszta : 2005年08月19日 12:02

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» 「のりのりバス」廃止へ−つくば市 [常陽新聞・9月9日付] from カーフリー
ソース:常陽新聞 今年の紙面から 9月9日を選択 http://www.joyo-net.com/ あるいは、いばらきバスニュース http://i-bus.w... [続きを読む]

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